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03.31.23

ロレックス デイトナ : ビスポークデザインの挑戦

すべてはある挑戦から始まりました。

2021年12月、あるアメリカ人コレクターがジャン・ルソーの社長であるジャック・ボルディエ宛てにメッセージを送りました。「ボルディエ様:2009年に、私は父からゴールドのロレックス・デイトナ(モデル6241;1969年版)を譲り受けました。クラシックなヴィンテージウォッチで、非常に貴重なものです。何年も前から、私はこの時計にすき間なくフィットする上質なレザーストラップを探しています」。

ロレックス コスモグラフ デイトナ 6241(14金)は、450本限定生産で、時計製造の歴史の中で神話的な存在です。俳優でありレーサーでもあったポール・ニューマンが、カーレースや映画の撮影時、プレス写真などでこの時計をよく身につけていたことから彼の名前がつけられています。この時計は彼が妻から贈られたもので「Drive carefully(安全運転を)」の文字が刻印されています。のちに彼は「この時計は本当によく時を刻んでくれる」と言い、義理の息子にこの時計を譲ります。彼の死後、この時計はチャリティーオークションにかけられ、史上最高額で落札されました。

ポール・ニューマンの時計と似たロレックス デイトナを所有するこのコレクターは、父を偲んでこの時計を身に付けていましたが、彼にはそのゴールドブレスレットがあまりしっくりとしていなかったそうです。彼は「ジャン・ルソーに素晴らしいアリゲーターストラップをオーダーしたものの、時計とストラップの間に隙間のないピッタリとしたフィット感にかけていました。競合他社が完全にフィットするレザーストラップを作っていますが、ジャン・ルソーほど高品質ではありませんし、19mmのラグ幅に対応していません」と付け加えています。

10分の1ミリのフィット感を実現したアリゲーター

「挑戦が始まりました。挑戦することで私たちはより良いものを作ることができるので、私は挑戦することが好きなのです」とジャック・ボルディエは言います。彼はジャン・ルソー、ニューヨーク支店の技術責任者ナサニエル・ラザーにその依頼を伝え、ラザーはクライアントとともに理想的なストラップの設計に取りかかりました。

「彼は時計の形にすき間なくピッタリとフィットするアリゲーターストラップを思い描いていました。そこで時計を3Dスキャンし、ケースの形状や厚み、カーブに合うカスタムインサートを設計しました。インサートはフランスで製作され、特別なカットを施されたアリゲーターに取り付けられ、ニューヨークに戻って何度もフィッティングが行われました。プロトタイピングチームと協力して、10分の1ミリまで調整しました」とラザーは振り返ります。クライアントがプロトタイプの試着に再び訪れ、2つ目のもので納得のいく仕上がりになりました。

デザイナーの力作

2023年2月、美しいブルーのアリゲーターから作られた理想的なストラップが完成しました。クライアントがニューヨークのアトリエ=ブティックに来店し「この時計は私の父が所有していたもので、とても思い入れがあります。父は40年間この時計を身につけて、いつも文字盤を手首の内側につけて眺めていました。バーベキューでステーキを焼くときに、この時計でタイミングを測っていた父の姿を今でも思い出します。この時計を、納得のいくストラップとともに身につけることができてとても嬉しいです。私のために唯一無二のストラップを作ろうと努力してくれたことに感謝します」と語りました。

ジャック・ボルディエにとって、ここまでサービスを徹底することは、ジャン・ルソーならではのこだわりだと言います。「お客様のすべての願いにお応えするのが私たちの義務だと思っています。サービスの質は、最終的に出来上がった商品の出来栄えと同じくらいに大切です。社長としての私の答えはいつだって「イエス」(今回の場合は「よし、やるぞ!」という気持ち)で、私たちの技術チームは最良の解決法を見出すために持てる力を存分に発揮します。私は彼らが成し遂げた力作を誇りに思いますし、私たちのブランドにふさわしいものだと確信しています」。

こちらのビスポークサービスに関するお問い合わせはこちらから : https://www.jean-rousseau.com/ja/contact/

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